情シス担当者が突然退職したら?中小企業が今すぐ取るべき5つの対応と防止策

作成者: 執筆担当者|Aug 16, 2026, 8:07:57 PM

情シス担当者が突然退職したら?中小企業が今すぐ取るべき5つの対応と防止策

「来月末で退職させてください」——情シス担当者からのこの一言で、社内のシステムが誰にも分からなくなってしまう。中小企業では決して珍しくない話です。

多くの中小企業では、情報システムの管理をたった1人の担当者に頼りきっている「属人化」の状態が起きています。その担当者が突然退職すると、パスワードの管理場所すら分からなくなり、業務が止まってしまうケースも少なくありません。しかも、こうしたトラブルは表に出にくいため、実際に自分の会社で起きるまで「うちは大丈夫」と考えてしまいがちです。

この記事では、情シス担当者の退職が発覚したときに今すぐ取るべき対応、後任採用のリアルな難しさ、そしてそもそも同じ事態を繰り返さないための防止策まで、具体的に解説します。

なぜ「情シス担当者の退職」が経営リスクになるのか

情シス担当者が1人しかいない会社では、次のようなことが本人にしか分からない状態になりがちです。

- サーバーやクラウドサービスの管理者アカウント、パスワード
- 社内システムの構成、契約しているITベンダーの一覧や契約内容
- 過去のトラブル対応の経緯と、その解決方法
- 日常的に発生する定型業務の手順(バックアップの取得、サーバーの管理など)

これらが引き継がれないまま担当者がいなくなると、簡単なトラブルでも解決に時間がかかり、最悪の場合は受発注システムやメールが使えなくなり、業務が完全に止まってしまうこともあります。取引先とのやり取りに支障が出れば、信用問題にも発展しかねません。

さらに厄介なのは、こうしたリスクが「起きるまで見えない」という点です。情シス担当者が元気に働いている間は問題が表面化しないため、後回しにしがちです。しかし属人化が進行している企業ほど、いざというときの被害は大きくなります。

よくある失敗パターン

実際に中小企業で起きがちな失敗には、いくつかの共通点があります。

パターン1:引き継ぎが「口頭のみ」で終わってしまう
退職者本人は「一通り教えました」と思っていても、聞いた側は緊急時に何をどう調べればいいか分からない、というケースです。ドキュメントに残していないと、数か月後には内容自体が忘れられてしまいます。

パターン2:退職後にパスワードが変更されないまま放置される
円満退職であっても、退職者が管理者権限を持ったアカウントにアクセスできる状態が残っていると、意図しない情報漏えいや設定変更のリスクが残り続けます。

パターン3:後任を採用するまでの「空白期間」を甘く見てしまう
「すぐに次の人を採用すれば大丈夫」と考えていても、専門知識を持つ人材の採用には一定の時間がかかります。その間、誰も対応できない状態が続くことになります。

退職が分かった直後にすぐやるべき5つの対応

実際に退職の意思表示があった場合、慌てずに次の順序で対応を進めることをおすすめします。

1. アカウント・権限の棚卸し:本人しか把握していない管理者権限、クラウドサービスのアカウント、外部ベンダーとの契約状況を一つずつ洗い出し、リスト化します。「何がどこにあるか」を可視化するだけでも、リスクは大きく下がります。

2. パスワードの変更と管理の一元化:退職後に不要なアクセスが残らないよう、重要なパスワードは退職前に変更し、社内で安全に管理できる仕組み(パスワード管理ツールや、限られた責任者のみがアクセスできる保管方法)に集約します。

3. 業務引継ぎ資料の作成:口頭ではなく、システム構成図、日常業務の手順、トラブル発生時の連絡先を文書として残してもらいます。可能であれば、退職者と一緒に実際の作業を録画・記録しておくと、後から見返せて安心です。

4. 一時的な外部委託の検討:後任がすぐに決まらない場合、外部の情シス代行サービスを一時的に活用し、業務の空白期間を作らないようにします。特にセキュリティ対応やシステムの保守は、専門知識がない状態で自己流に対応すると、かえってリスクを高めてしまうことがあります。

5. 経営層への報告体制の確立:情報システムの状況を経営層が定期的に把握できるよう、月次や四半期での報告のルールを作ります。属人化が起きるのは、経営層が現場の状況を把握できていないことが根本原因である場合が多いためです。

後任を採用する場合の現実的なハードル

「それなら早く後任を採用すればいい」と考える経営者の方も多いですが、実際には次のようなハードルがあります。

- 専門人材の採用市場は競争が激しい:IT人材、特に社内SEのような幅広い知識を求められるポジションは、大企業も含めた採用競争の対象になりやすく、中小企業が単独で好条件の人材を確保するのは簡単ではありません。
- 採用してもすぐに戦力になるとは限らない:前任者が積み上げてきた業務知識やシステムの背景を、新しい人材が理解するまでには時間がかかります。
- 1人体制に戻すと、同じ問題を繰り返すリスクがある:仮に後任の採用に成功しても、また1人だけに依存する体制に戻してしまえば、根本的な解決にはなりません。

そもそも属人化を防ぐための3つの予防策

一度この問題を経験した企業がまず考えるべきは、「次も同じことが起きない仕組み」を作ることです。

- 業務の可視化を定期的に行う:誰か1人にしか分からない業務がないか、年に1〜2回は棚卸しする機会を設けます。
- 複数人体制、または外部パートナーとの併用:社内に1人しかいない状態を避け、外部の専門家と併走する体制を作ることで、退職や休職があっても業務が止まらないようにします。
- クラウド活用による属人化の排除:AWSやMicrosoft365などのクラウドサービスは、適切に設定すれば管理権限や操作履歴を可視化しやすく、特定の担当者への依存を減らせます。

外部委託と正社員採用、それぞれのメリット・デメリット

情シス機能を強化する方法として、大きく分けて「正社員を採用する」「外部の専門会社に委託する」という2つの選択肢があります。どちらが正解ということではなく、自社の状況に合わせて選ぶことが重要です。

正社員採用は、自社の業務を深く理解した人材を育てられる一方、採用・育成にかかる時間とコストが大きく、その1人がまた退職すれば同じ問題が再発するリスクを抱えます。外部委託は、複数の専門家によるチーム体制でサポートを受けられるため属人化のリスクが低く、必要な範囲だけを依頼できる柔軟性がありますが、自社の業務への理解を深めてもらうまでに一定のコミュニケーションが必要です。多くの企業では、両者を組み合わせ、日常的な窓口は外部パートナーに任せつつ、社内の意思決定は経営層が担う、という形が現実的な落としどころになっています。

社内SEの代わり」という選択肢

情シス担当者を新たに採用するには時間もコストもかかります。デジックでは「ITアシスト」サービスとして、定期的な訪問を通じて御社の情報システムの課題を把握し、社内SEのように運用を支援しています。担当者が1人しかいない、または不在という状態そのものをなくし、属人化のリスクを根本から減らすことができます。デジックは20年以上にわたり中小企業の情報システム運用を支援しており、98%以上の継続率、50社以上のサポート実績があります。経済産業省認定の「スマートSMEサポーター」として、中小企業のIT活用を専門的な立場から支援してきました。

よくある質問

Q. すでに退職者が出てしまい、引き継ぎがほとんどない状態でも相談できますか。 A. はい、ご相談いただけます。まずは現状のシステム構成やアカウントの棚卸しから一緒に整理していきます。

Q. 情シス担当者がいる会社でも依頼する意味はありますか。 A. あります。1人の担当者に依存している体制そのものが今回のようなリスクの原因になるため、担当者がいる企業でも「もう1人分のバックアップ」としての活用をおすすめしています。

Q. どの程度の頻度でサポートを受けられますか。 A. 企業ごとの状況に応じて、定期的な訪問頻度をご提案しています。まずは無料相談で現状をお聞かせください。

「何から手をつければいいか分からない」という段階からでも構いません。まずは無料相談で、自社の状況を確認してみませんか。

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